ブナ樹を版画にしています。手法はドライポイントです。
100枚の版が目標です。現在20枚を超えたところですが、一部をプレス機にかけました。
彫るのと同様に、摺るのも大変です。
自分が満足する摺りには、かなりの修行が必要です。
それでも摺りあがると、嬉しいものです。
ブナ樹をテーマに版画を始めたのは、ブナが好きと云う単純な動機からです。
私は、よく山に登ります。
登れば登るほど好きになるのですが、その一番のきっかけはブナ樹との出会いでした。
さほど高くない標高から始まるブナの樹林帯は、標高1000m前後まで続きます。どこの山にもブナ林はあり、豊な森を作る重要な存在です。
ブナの森は天然のダムだといわれますが、雨の日に森を歩くとよくわかります。
少々の雨では、ブナの森は濡れません。
ブナは、葉で雨を受け止めると、自分の幹伝いに根元に落とします。そこは厚い腐葉土で、雨水をどんどん吸い込み蓄えていくのです。森のダムの始まりです。
そしていつの日か濾過され、清水となって湧きだします。
その清水が源流となって、徐々に水量を増やし、川になるのはご承知のとおりです。
ブナは太い幹の割には、枝を広げません。
込み合うと、お互いの枝を短くして譲り合っているようです。
寿命もさほど長くないようです。300年から400年ぐらいで?多くの木は枯れていくようです。
四季折々、その美しさは飽きることがありません。
山も、一頃は中高年ばかりでしたが、最近若い人が増えました。
その方々も、ブナの森を歩いてくれるでしょう。
そして、森が美しく気持ち良いことを実感すると思います。
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